ASメディカルサポート 提供計画サポート部です。

 

再生医療は注目度が高い分、制度についてもさまざまな誤解が広がっています。
実際、多くの医療機関様から「え、そうなの?」という驚きの声をいただくことがあります。

制度の表面的な理解だけでは、いざ運用を始めた際に思わぬ落とし穴にはまってしまうことも少なくありません。

第6回では、現場で特によく遭遇する「3つの大きな誤解」を紐解き、制度のリアルを整理します。

■ 誤解1:「自由診療なら、そこまで厳しくない」

最も多く、そして最も注意が必要な誤解です。

日本の再生医療制度(安確法)は、保険診療か自由診療かを問いません。
むしろ、エビデンスが確立途上の自由診療だからこそ、
「厚生労働省への計画提出」と「認定再生医療等委員会による厳格な審査」が
法律で義務付けられています。

「自費診療だから、自分たちの裁量で進められる」という認識は、無届実施という深刻なコンプライアンス違反に直結するリスクを孕んでいます。

■ 誤解2:「一度、委員会を通れば一安心」

「計画書が受理されたらゴール」と考えてしまいがちですが、実はそこがスタートです。

・実施医師の追加・変更
・細胞加工施設の変更
・投与方法の微調整

これらはすべて、内容に応じて「変更届」や、「委員会での審査」が必要です。
現場の判断で「少し形を変えただけ」と思っていても、
制度上は「計画からの逸脱」とみなされるケースがあります。
再生医療等提供計画は、一度作って終わりではなく、継続的に管理・更新していく必要があるものです。

■ 誤解3:「移転や名称変更は、後から報告すればいい」

「クリニックが近所に移転した」「医療法人の名称が変わった」といった変更を、一般的な行政手続きと同様に考えてしまうと危険です。

再生医療等提供計画は、「特定の場所(施設)」と「特定の実施責任者」に対して受理されています。そのため、住所や名称が変わる場合、「変更届」が必要です。

手続きを怠ると「計画と実態が異なる」状態になり、提供の継続が難しくなるケースもあります。

■ 最後に:制度は「ブレーキ」ではなく「ガードレール」

制度や法律と聞くと、医療の進歩を妨げる「ブレーキ」のように感じるかもしれません。
しかし、その本質は、患者様の安全を守り、万が一の際にも医療機関が正当な手続きを踏んでいることを証明するための「ガードレール」です。

正しく理解し、無理のない運用体制を築くこと。
それが、信頼される再生医療の提供に繋がります。

次回からは第2フェーズとして、「申請方法」について深掘りしていきます。
e-再生医療を用いた新規申請、変更届、定期報告の進め方について解説していきます。

 

 

株式会社ASメディカルサポート
提供計画サポート部