ASメディカルサポート 提供計画サポート部です。

前回は、再生医療における「定期報告」の基本的な仕組みや、提出時期についてご紹介しました。

定期報告を適切に行うためには、提出時期を把握するだけでなく、
日頃から治療実績や患者様の経過、安全性に関する情報を適切に記録しておくことが重要です。

今回は、定期報告で確認する主な情報と、実際の運用で注意したいポイントについて整理します。

■ 定期報告では何を確認する?

定期報告では、集計期間中に実施した治療について、主に以下のような内容を確認します。

 

① 治療実績

・疾患ごとの患者数(症例数)
・治療件数(実施回数)

まず確認するのが、実際にどの程度の治療を行ったのかという実績です。
「何名の患者様に治療を行ったのか」「何回の治療を実施したのか」を正確に把握し、
カルテや院内で管理している実施記録と照合しておくことが重要です。

 

② 安全性

・治療に関連する重篤な疾病
・死亡等の発生状況

定期報告では、治療に関連して重大な事象が発生していないかについても確認します。
重大な疾病等が発生した場合、定期報告を待たず、別途速やかな報告が必要となる場合があります。

そのため、治療後の患者様の状態についても適切に記録し、
異常があった場合には院内で共有できる体制を整えておくことが大切です。

 

③ 治療の妥当性

・治療前の評価(診断根拠)
・治療後の評価(改善の検討)
・治療後の経過観察

定期報告では、治療を実施したという事実だけでなく、その治療がどのような患者様に対して行われ、
治療後にどのような経過をたどったのかについても確認します。
治療前の状態と治療後の状態を比較できるよう、あらかじめ定めた評価方法に沿って記録しておくことが重要です。

■ 日頃からの記録が重要

定期報告の時期になってから、1年分の診療記録をまとめて確認するのは簡単ではありません。

必要な情報が記録されていなかったり、評価のタイミングが患者様ごとに異なっていたりすると、
正確な報告が難しくなる場合があります。

特に、
・治療前の評価
・治療後の評価
・経過観察の記録
・治療実績
・有害事象等の発生状況
については、日頃から適切に記録しておくことが重要です。

また、提供計画に記載されている評価項目や観察方法と、
実際に院内で行っている内容に相違がないかについても、定期的に確認しておきましょう。

■ よくあるミス

定期報告の準備では、次のような記録上のミスが見られることがあります。

・治療件数とカルテ上の記録が一致していない
・治療前後の評価が記録されていない
・経過観察の記録が不足している
・患者様ごとに評価方法が異なっている
・提供計画に記載された評価項目と実際の評価内容が異なっている

こうした記録の不足や不一致があると、定期報告の作成時に追加の確認や修正が必要となる場合があります。
また、不備が多い場合には、委員会での審査に影響し、審査を通過できない可能性もあります。

さらに、提供計画の内容と実際の運用に変更が生じている場合には、
定期報告とは別に変更手続きが必要となる可能性もあります。

「定期報告の時期になってから確認する」のではなく、
日頃から計画に沿った運用ができているかを確認しておくことが大切です。

■ 最後に

定期報告は、治療件数を報告するための手続きではありません。

「どのような患者様に、どのような治療を行い、その後どのような経過をたどったのか」を振り返り、
安全性や治療の妥当性を確認するための重要な機会です。

そして、正確な定期報告を行うためには、報告時期になってから準備を始めるのではなく、
日々の診療の中で必要な情報を適切に記録しておくことが何より重要です。

日頃から診療記録や治療実績を適切に管理し、提供計画に沿った運用を継続することが、
再生医療を安全に提供していくことにつながります。

 

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提供計画サポート部