ASメディカルサポート 提供計画サポート部です。

前回まで、再生医療の基本と、第一種・第二種・第三種というリスク区分について整理してきました。
第4回では、いよいよ制度の中心となる「再生医療等提供計画」そのものについて、
全体像を整理します。

「計画書は知っているが、制度の中でどんな役割を担っているのかは曖昧」
そんな医療機関の方も少なくありません。

■ 再生医療等提供計画とは何か

再生医療等提供計画とは、医療機関が特定の再生医療を
どのような体制・手順・安全管理のもとで提供するかを事前に示す公式文書です。

一言で言えば、
「私たちはこのルールで、この責任を持って治療を行います」
という誓約書のようなものです。

よくある誤解は「同じ幹細胞だから1つの計画書で複数の疾患を診てよい」というもの。
実際には、疾患ごとに計画は個別に作成する必要があります。

計画書で明文化される主な内容は以下の通りです。
・どの疾患に、どの細胞を、どの方法で投与するのか
・誰が責任者となり、どのような体制で治療を行うのか
・細胞はどこで、どのように製造・管理されるのか
・安全性や妥当性をどのように判断し、投与可否を決めるのか
・万が一の健康被害にどのように備えるのか

これらを明文化することで、
治療内容・安全管理・責任の所在を第三者が確認できる形にします。

提供計画は、医療機関の管理者(原則として院長)名義で作成・提出されます。
その為、最終的な責任は医療機関が持つことになります。

■記載される主な内容

1. 提供しようとする再生医療等及びその内容
・対象疾患、使用する細胞、加工・投与方法

2. 人員及び構造設備その他の施設等
・管理医師・従事医師
・有害事象発生時に対応可能な体制

3. 再生医療等に用いる細胞の入手方法および製造・品質管理
・実施場所、採取方法、細胞加工施設
・細胞提供者及び代諾者に対する説明及び同意の内容
・製造工程や品質管理の方法

4. 再生医療等技術の安全性の確保に関する措置
・提供する治療の安全性や妥当性の検討内容
・投与可否の判断方法
・再生医療等を受ける者及び代諾者に対する説明及び同意の内容
・提供終了後の措置

5. 健康被害が生じた場合の補償の方法
・患者への補償内容・体制

6. 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項
・審査を行う認定再生医療等委員会の名称と区分

7. その他
・上記以外に、安全性や適正性の確保に必要な事項

このように、再生医療等提供計画は
治療内容・医師・設備・細胞・安全管理・責任の所在を一体として示す文書です。
だからこそ、実際の運用と常に一致していることが強く求められます。

■ 最後に

提供計画は「提出して終わり」ではありません。
一度受理された提供計画は、運用、変更届、定期報告、終了・中止時の対応まで含めて管理されます。
つまり、提供計画は再生医療のライフサイクル全体を通じて機能する文書なのです。

再生医療等提供計画は、制度対応のための書類ではなく、医療機関が安全に、継続的に再生医療を提供するための基盤です。

次回は、この計画を実行するために、
医療機関にどのような体制整備が求められるのかを具体的に見ていきます。

 

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提供計画サポート部