ASメディカルサポート 提供計画サポート部です。

再生医療の技術が進展し、整形外科や美容医療など、私たちの身近な分野でも応用が広がっています。
一方で、その多くは自由診療で提供されており、医療機関が制度のルールを十分に理解しないまま提供を始めてしまうケースも見受けられます。
こうした背景から、再生医療の安全性と信頼性を確保するための制度的な枠組みが整えられています。
その中心となるのが「再生医療等提供計画書」、いわゆる「提供計画書」です。

■ 提供計画書ってなに?

再生医療を行う医療機関には、治療を始める前に「提供計画書」を厚生労働省へ提出する義務があります。
これは、患者さんの安全を守るための基本設計図であり、医療機関が「この方法で責任を持って治療を行います」と示す大切な約束事です。

■ 法的枠組みと位置づけ

提供計画書は、再生医療を届け出制から「計画に基づく管理型制度」へと移行させた重要な仕組みです。

• 法第4条(提供計画の作成義務)
医療機関は、提供する再生医療の種類ごとに、計画を作成しなければならない。
• 法第6条(提出義務)
作成した提供計画は、厚労省へ提出し、その後の変更や廃止も報告する必要がある。
• 法第20条(提供停止命令等)
計画に基づかない実施や安全性に問題がある場合、厚労省は停止命令等を行える。

これにより、医療機関単独の判断ではなく、国・専門委員会の監視下で再生医療を進める枠組みが整備されています。

■ なぜ必要なの?

再生医療は可能性の大きい分野ですが、同時に未知のリスクも伴います。
だからこそ、事前に計画を立て、外部の目で確認してもらうことが重要になります。

提供計画書は、
• 治療の対象となる疾患と方法
• 細胞の加工や品質管理の流れ
• 副作用が出たときの対応手順
• 患者さんへの説明のあり方
といった内容を整理して記載します。

これにより、安全性・透明性・信頼性の3つが確保されます。

■ 提供計画書が果たす役割

1. 安全性の確保
 治療の流れやリスク対応を明記し、現場での迷いやトラブルを防ぐ。
2. 透明性の担保
 厚労省や専門委員会のチェックを経ることで、公的に認められた形で治療を進められる。
3. 信頼性の向上
 患者さんに「きちんと管理されている医療です」と伝える材料になり、安心感につながる。

■ 最後に

最近の重大事案を受け、提供計画書の役割はますます重くなっています。
今後は、より具体的で実効性のあるリスク管理や品質保証の記載が求められ、計画書は単なる提出書類ではなく、医療機関の信頼そのものを示すツールになっていくでしょう。

再生医療はまだ発展途上の分野ですが、だからこそ「安全に、安心して」届ける仕組みが欠かせません。
提供計画書はその第一歩。
私たち提供計画サポート部も、法令遵守と科学的根拠に基づいた計画づくりを支援し、再生医療をもっと身近で信頼できるものにしていきたいと考えています。

株式会社ASメディカルサポート
提供計画サポート部